「育児休業延長の審査厳格化」というニュースが!
育児休業延長 審査厳格化の方針 高倍率保育園応募での“落選狙い”排除へ (msn.com)
次男がもうすぐ1歳になろうとする私にとって、超タイムリーな話題である。
育児休業の趣旨を踏まえて、審査の厳格化とは何をするのか考える。
育児休業の基礎知識
そもそも育児休業って何のためにあるんだ…?
「育児休業」の延長を予定されている労働者・事業主の皆さまへ (mhlw.go.jp)
↑厚生労働省HPより リーフレットを見るとすっきりまとまっているよ
リーフレットを見てみると、こう書かれている。
育児・介護休業法では、労働者は、原則として子どもが1歳になるまでの間、育児休業を取得することができることとされています。
1歳までは、文句なしに育児休業を取得できるし(多分)雇用保険から育児休業給付金も支給される。
例外的な措置として、1歳になる時点で保育所などに入所できない等、雇用の継続のために特に必要と認められる場合に限り、1歳6か月まで(再延長で2歳まで)育児休業を延長することができます。
結局この「例外的な措置」を利用したい人が多い…のかな。
まあね、そりゃそう。
子どもが小さければ小さいほど、育児しながら保護者全員がフルタイムで働くのは正直…親も子もキツイ( ;∀;)
育児休業の延長≠育児休業給付金の受給
職場によって違うのだけど、育児休業の延長と育児休業給付金の受給はまた、別の問題である…はず。
私の職場の場合は、特に条件なく子が3歳になるまで育児休業の取得が可能。
もちろん休業中は無給。
その無給期間をサポートするための制度として、雇用保険などから育児休業給付金が支払われる。
育児休業に入る直前の給与に対して、育児休業開始から180日までは2/3が、それ以降は1/2が給付金として受け取れるが、育児休業給付金を受け取るためには、「保育所入所保留通知書」が必要となる。
「保育所入所保留通知書」とは…
保育園や子ども園に落選したことを証明する書類のこと。
役所の窓口で申請すると貰えるよ!
なんで1歳までなのか…?
正直長男、次男を育ててみて…1歳で復帰できるママすごいな…という感想しかない。
長男の時は身体が全然回復しきっていなくて、仕事…?無理じゃね…?という気持ちしかなかったよ???
育児介護休業法に目的や理念が書いてあったので、紹介する。
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 | e-Gov法令検索
育児休業の目的
(目的)第一条
この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇及び介護休暇に関する制度を設けるとともに、子の養育及び家族の介護を容易にするため所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、これらの者の福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする。
うーんと…
「仕事と家庭の両立を助ける」ことを目的にした法律なんだな!(ざっくり)
基本的理念
(基本的理念)第三条
この法律の規定による子の養育又は家族の介護を行う労働者等の福祉の増進は、これらの者がそれぞれ職業生活の全期間を通じてその能力を有効に発揮して充実した職業生活を営むとともに、育児又は介護について家族の一員としての役割を円滑に果たすことができるようにすることをその本旨とする。
家庭と仕事の両立。
仕事しっかり頑張れるように、家族の一員として育児もしっかりこなせるようにする!という趣旨…だよね?
2 子の養育又は家族の介護を行うための休業をする労働者は、その休業後における就業を円滑に行うことができるよう必要な努力をするようにしなければならない。
復帰したら、しっかり働けよ!ということね。おkおk。
ん?育児休業も介護休業も、復帰ありきなんだね(; ・`д・´)
知らなかった……もちろん復帰したいから育児休業を選んだんだけども、たまに育児休業からそのまま…というお話を耳にすることもあったからさ……
必要な努力をした上で、無理なこともあるよね。
出産を乗り越えて、どこまで回復できるかは…運もあるものね…。
え?なんで1歳までなの?
なんでだ???
一応…保育園やこども園に入園できるのは、生後8週間から…だからまあ…1歳には保育園に預けられるでしょ?ということなのかな…( ;∀;)?
育児休業は子育てと仕事の両立のためにある!
育児休業の基となっている法律を読んで、育児休業は子育てと仕事を両立するためのものだというのを、改めて確認できた!
育児休業延長審査の厳格化ってなんぞ?
さてさて…ここで、なんで審査が厳格化されるに至ったか、に思いを馳せたい。
明らかに制度趣旨とは異なる育児休業の延長申請があった
育児休業給付金は、原則1歳まで。
ただし、子どもが保育園に入れなかった場合などは、最長2歳になるまで給付を受けられる。
そりゃさ、給付を受けつつ、長く休みたいよね…
で、ライフハックのように編み出されたのが
「わざと倍率の高い保育園に応募し、落選を狙う」
「保育園落ちた、日本〇ね」というつぶやきが、ニュースになったのを思い出す…
落ちたい人が居る一方で、受からないと困る人もたくさんいるのよね。
育児休業の趣旨に照らし合わせると、「わざと~落選を狙う」応募は、受からないと困る人を締め出しちゃうことになっちゃうもんね。それは良くない。
なんで制度趣旨とは異なる育児休業の延長申請をするのか?
確かによくないと思う…思うが、そうする気持ちはわかりすぎるぐらいわかってしまう。
3歳児でも夜に大体10~12時間くらいの睡眠が必要なのに、フルタイムで働こうとすると、通勤時間が最小限だと仮定しても、9~10時間くらい預けることになる。
…起きて家にいられる時間、2~5時間しかないじゃん!?(; ・`д・´)
その時間内に朝ごはん食べて晩御飯食べて風呂入って…?ええ??
1歳児にそれやらせないとなの???
親も子もギリギリ過ぎる……
時短にしなさいよ、という意見もわかる。
でも、次の子どもを考えている場合に、育児休業給付金の額が大きく目減りしてしまう。
育児休業給付金は、直前の標準報酬月額(ただし上限アリ)を元に算出されるのだけど、時短にするとその標準報酬月額がガクッと下がってしまうから。
次の子どもを考えているなら、フルタイムで復帰してフレックスを使うなどして、工夫した方がいいかな…と思う。
子どもを複数人欲しいなら、かかるお金も倍々に増えていくからね…
子どものことを考えると、なんとかして育児休業給付金を貰いながら、育児休業を延長したくなるよね…というか、子育てと仕事を両立するためには、休んだ方がいいとすら思っちゃったゾ?
審査の厳格化って…なにするんだろ?
冒頭のニュースより…
厚労省は育休の延長を希望する人には、「申告書」をハローワークに提出するよう求め、自宅や勤務先から30分以上離れた保育園のみに申し込む場合などは理由を記入してもらうなどして、育休の延長が適当かを、ハローワークで審査する方針を決めました。
うおぉ…?
田舎の民なので、なんとなくイメージがし辛い…
厚生労働省HPのリーフレットをみると
保育所などの入所申込みを行い、第一次申込みで保育所などの内定を受けたにもかかわらずこれを辞退し、第二次申込みで落選した場合には、落選を知らせる「保育所入所保留通知書」にこうした事実が付記されることがあります。(付記の有無等実際の運用は、自治体によって異なります。)
こうした付記がある「保育所入所保留通知書」を受け取った方は、第一次申込みの内定辞退にやむを得ない理由※がない場合には、育児休業を延長する要件を満たさないため、育児休業の延長の申出ができません。
…そりゃそうだな?
内定を蹴ってるんだもの。普通のことを言ってるだけに感じる。
「制度趣旨とは異なる育児休業の延長申請」って…
①落選狙いに人気の園に応募する
②一次募集を辞退して、二次の落選を狙う
を指すってこと???
②はほぼほぼブロックできそう(そしてわかりやすく迷惑)だけど、①って…判断難しそう。
人気のある園に応募したとして、それが落選狙いだと…どう判断するんだろうね?
ニュースに出てきた、自宅や勤務先から30分以上離れた保育園というのも…田舎だからか…そういう場合はザラにありそうと思っちゃって…地域差がありそうだよね。
まとめ
育児休業は、子育てと仕事の両立のためにある!
のだけど…育児休業中の給付金をより長くもらうために(それでも最長2歳まで)保育園等に落選した証明書(「保育所入所保留通知書」)が必要で…
なんとか落選しようと、①人気の園に応募する人、②一次募集を辞退して二次の落選を狙う人などが居た。
育児休業は仕事復帰することが大前提だから、落選しようと画策するのは育児休業の趣旨に反する!
審査を厳格にして、明らかに落選狙いの場合は給付の対象外にするよ!
というのが冒頭のニュースなんだと読み取った。